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CB1100 Classic/LE インプレッション
機能美と優しい乗り味が魅力の
現代版スポーツクラシックモデル
CB1100 Classic インプレ   CB750 k1
  CB400Four
 往年の名車、CB750K0やCB750F2、CB400FOURなど記憶に残るHondaスポーツモデルがあった。当時としては最新の直列4気筒エンジンというインパクトに加え、美しく編み込まれたスポークホイールが特に印象が深かった。
 今となれば、スポークホイールはどこか懐かしいクラシカルなバイクを表す象徴となっているが、その機能美たるや今も見ている者を惹きつけて離さない。 日本特有のクラフトマンシップや造形の美しさは、性能要求から生まれ出た産物とはいえ、K0やヨンフォアに憧れていた世代には、特に直4エンジンにスポークホイールという組み合わせにはえも言われぬ親しみを感じてしまう。

 PASSAGEオリジナルとなる「CB1100クラシック」はスポークホイールを採用した、往年の名車をリスペクトするスポーツモデルとなっている。 元々、古き良き時代へのオマージュとして登場したCB1100がベースなのだから、スポークホイールが似合わない道理はない。まるでメーカー正規ラインナップモデルのような完成度を見せている。まるで、最初からそうであったような雰囲気だ。
近年の大型スポーツモデルはワイドな高性能タイヤを履いているが、リムとハブを特注品とすることで、これを見事に解決している。
 そして、今回試乗して分かったこと。それは「スポークホイールは乗り味が優しく、走っていて楽しい」ということだ。
 既存のダイキャストホイールは一体製造式で剛性が高く、精度も充分に出来ている。反面、路面からの衝撃やインフォメーションなどライダーが感じる走行時のフィールはダイレクトである。極端な話、バネ下の仕事はタイヤとサスペンションに任せているため、場合によっては「乗り味が硬くなる」こともある。 サーキットやスポーツ走行であれば、キャストホイールのメリットは大きいが、街乗りやツーリング時にはもう少し「味わい」も欲しいと考えてしまう。そんなライダーにうってつけなのが、このスポークホイールというわけだ。
 ホイールそのものの剛性はもちろん充分に確保された上に、適度なしなり感や軽量なアルミ製リムゆえの軽快感すら与えてくれる。路面のいやらしいギャップもホイール自体のたわみによっていなしてくれるのだ。乗っていると自然と鼻歌が出てきそうな感じ、と言えば伝わるだろうか。とにかく気持ち良く、楽しいのだ。見た目の上質感もさることながら、走る楽しさこそ、このCB1100クラシックSE最大の美点と言えるかもしれない。 PASSAGEでは、このスポークホイールを組み込んだコンプリートモデルとともに、ホイール単体の販売も予定している。ホイールは48本スポーク仕様と36本スポーク仕様があり、それぞれブラックアルマイトとシルバーポリッシュという趣のことなる仕様が用意されるとのこと。それぞれ、独自の個性で愛車を彩ってくれることだろう。また今回、同時にオリジナルとなるHondaヨーロッパ製のリアボックス3商品も発売された。
 CB1100を時代のロマンたっぷりに理想の形として昇華し、バイクとともに暮らす楽しみを提供してくれるPASSAGEに今後とも注目していきたい。
(文・試乗:佐川健太郎)
CB1100 Classic インプレ   CB750 k1
佐川 健太郎

モータージャーナリストにしてプロライダー。スーパースポーツから電動バイクまで、あらゆる二輪車に造詣が深い。ライディングアカデミー東京の校長を務めるなど、ライテクも超一流。
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